11月も残すところあとわずか。散り紅葉が美しい季節になってきました。
真っ赤に染まる木々ももちろん美しいですが、葉が散り地面を彩る姿は時に鮮やかな紅葉よりも人を惹きつけることもあると思います。
さて、今回は古くから奈良の紅葉の名所として知られるこちらのお寺へ。
今回向かったのは奈良市の中心部から10km近く離れた山中にある正暦寺です。
かつては86坊もの堂塔伽藍を誇る非常に大きな寺院でしたが、平重衡の南都焼き討ちによって境内の伽藍のほとんどが消失。
その後一度復興を遂げますが明治期の廃仏毀釈によってまた衰退し、現在は本堂と福寿院などほんのわずかな建物が残されています。
境内の建物は壊され、今は石垣などに往時の面影を残すばかりですが、古くから「錦の里」と称された境内の紅葉は今も残されています。
自然を感じながら散策できる紅葉
山肌に沿って境内がたてられている正暦寺。
この寺院の魅力はまるでトレッキングに来たかのような自然の雄大さを感じながら紅葉が楽しめるというところです。
境内には菩提仙川という小川が流れており、川のせせらぎを聴きながら木々を眺めることができます。
この日は少し散り初めということもあって、見頃のピーク(赤さを基準に)は少し過ぎているような印象でしたが、それでもまだ葉は残っており、散った葉が地面や川に美しく彩りを添えていました。
山内でももちろん楽しめますが、正暦寺の楽しみ方といえば山全体を眺めながらゆったり眺められる福寿院庭園。
境内の山全体を借景に、両側の枠を額縁に見立てて楽しむ紅葉は是非とも訪れた際にはご覧いただきたいオススメのスポット。
庭には松が植えられ、高く伸びる松の幹が生命力あふれる姿を、それを彩るように真っ赤に染まる紅葉が眼前に広がる光景はまさに絶景。絵画のような景色をゆったりと楽しむことができます。
雄大な自然とその風景を生かした庭園を一度に楽しめる正暦寺。観光客で埋め尽くされるほど混雑する、というようなこともないのでのびのびと過ごすことができます。
出かけるならバスの方がスムーズ
正暦寺へは車で出かけられる方が多いですが、訪れる際に問題となるのが駐車場の少なさ。
訪れた時も駐車場が満車で、空車を待つ車の列ができていました。
待ち時間もかなり長いようだったので、訪れる際のアクセス手段は近鉄・JRそれぞれの奈良駅から出る臨時バスで向かうのがオススメ。
30分に一本ほど出ており、近鉄奈良駅から25分で到着するので駐車する手間を考えるとバスで向かう方が楽かもしれません。(車で奈良へ来る場合は、奈良駅近くに止めてしまうのもいいかもしれません)
正暦寺へ訪れた後、奈良公園やならまちの散策などを楽しめば奈良の名所をあますところなく堪能できるはずです。
自然を満喫したい。そんな方には正暦寺がオススメです!