ただ飲んだ酒をメモしている?今回で6回目となる奈良酒飲みある記。
これまで風の森を中心に紹介していましたが、今回は風の森同様新進気鋭の若手社長が送る日本酒を紹介したいと思います。
若人のチャレンジの結晶
「みむろ杉」を醸す今西酒造。全国の酒蔵や飲食店でしばしば掛けられているしるしの杉玉発祥の地と言われる桜井市の大神神社のほど近くにあります。
日本の酒造りを語る上で欠かせない地である三輪で350余年にわたり酒造が行われてきた伝統ある酒蔵です。
(徳川幕府と同じくらい続いているんですね!)
元々「三諸(みむろ)杉」、「鬼ごのみ」という2つの看板銘柄を持つ蔵で、平成24酒造年度から新たにスタートしたお酒が「みむろ杉」。
平成23酒造年度から蔵に入った現在の社長(なんと33歳!)をはじめ、蔵人の若返りを図った今西酒造。
若人たちが集うこの蔵で、限定流通酒として産声をあげたのがこのみむろ杉というお酒なんです。
女性受けするまろやかさ
平成24酒造年度以降登場し、次第に県内の地酒の中でも頭角を現しつつあるみむろ杉。
最初の酒造年度のものは出来栄えにムラがあったりと安定感に欠く印象がありましたが、次第に味も落ち着き、品質の向上が年を追うごとに感じられる成長株です。
今回飲んだみむろ杉 純米吟醸 雄町 無濾過生原酒 おりがらみは雄町米を60%まで精米したうえ、おりをそのまま含ませたもの。
おりがらみのもののなかでも、おりの量が多くどぶろくのようにも見えるくらい視覚的には濁り感が感じられます。
ところが、実際に飲んでみるとどぶろくのような重厚感のある口当たりがなく、非常に滑らかで優美な舌触り。
比較的どっしりとした酒質の多い雄町のなかでも軽やかさが感じられるクリアな酒質が特徴的です。(あくまでも比較論であって、軽やかな酒が好きな人には重さを感じるかも知れません。)
優美な飲み口、そして軽やかな酒質。繊細さが感じられる非常に女性的な、かつ女性にも飲みやすい甘みを兼ね備えたお酒です。
魚にも和食にも。どの料理とも相性よし!
みむろ杉の特徴は飲み口の軽さや甘みを持ちながら料理との相性が非常によいことです。
お酒だけを楽しむことができるのはもちろん、繊細な味わいは食中酒として食べ物の邪魔をすることなく料理を楽しむことができます。
揚げ出しとうふなどにはもちろんのこと、お刺身とともに食べても味わうことができるのであてとともに飲むはじめの一杯としてもおいしく飲めるお酒だと思います。
これを実現したのは何より酒質の高さ、繊細さがあるからこそ。伝統ある蔵の新進気鋭の人たちが送るお酒、ぜひ一度お試しあれ!
濃さ :★★★
キレ :★★★
旨味 :★★★★
酸味 :★★
飲みやすさ:★★★★
プチプチ感:★★★★