奈良酒飲みある記 Vol.7 五條酒造 五神

奈良県各地の地酒、県内で飲むことのできる日本酒を紹介する「奈良酒飲みある記」

7回目となる今回は、奈良県五條市で醸される五神です。

地元・五條では「このお酒がないお店はない」そう称されるほど、地元と深く根付いているお酒。今回は関西でもなかなかお目にかかることのできないこちらのお酒を紹介します。

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近年まで消費はほぼ地元のみ!地酒の粋ともいえるお酒

今でこそ流通、情報網、冷蔵技術の発達によって全国津々浦々のお酒、地酒を味わうことができるようになりました。

「地酒」という名の通り、本来は地元でのみ流通し、消費されるのが地酒。これはかつては生酒などを鮮度を保った状態で保存、運搬することが難しかったことから酒蔵の近隣でしか飲むことができなかった、石高が少ないため地元でしか出回らないという背景があります。

五神もそんな地酒の例に漏れず、近年までは蔵のある五條市と吉野でほぼ消費されるお酒でした。

近年になり、このお酒の評判が地元だけにはとどまらず、県外にも広がることとなり五神は県外でも飲み比べができるようになったのです。

キレのある飲み口を産み出す金剛山からの伏流水

なんといっても五神の特徴は、口に入れた瞬間から飲み終えるまで一貫してキレを感じるスッキリとした飲み口です。

奈良のお酒は「辛口」と一般的に言われるクリアでキレのある味わいが好きな方にとってはやや「甘い」と言われることが多いですが、このお酒は他の奈良のお酒とは一線を画しているのが特徴。

この飲み口を実現しているのが、金剛山から湧き出る伏流水。適度な硬度(やや硬度は高め)が、水のようにスッキリというわけではなく、かといってしつこさを感じさせない程よい飲み口を産み出す源となっています。

風の森、篠峯との飲み比べでわかる水の違い

五神の水質を紹介しましたが、これを感じる
のにオススメしたいのが山を隔てて隣の御所市で醸される風の森や篠峯との飲み比べ。

隣にあるので、一見同じ水脈の水を使っているかと思いきや…

全く別の水脈の伏流水を使っているんです!

五神は金剛山からの伏流水を使っている一方、風の森、篠峯は葛城山からの伏流水を用いて酒造りを行なっています。

この葛城山の伏流水は、金剛山と比べて硬度が非常に高く、重厚感を感じさせる酒質のもととなっています。

それと比較し、五神は硬度が低いため飲み口がこれらと比べて滑らか。近隣のお酒にもかかわらず、これほどまで味に違いが出るのか…と酒造りと水の関連を感じることができるはずです。

水ゆえ、県内のお酒とは微妙に異なる特徴を感じられる五神。飲み比べながら、この味わいを実感してみてはいかがでしょうか?

濃さ    :★

キレ :★★★★★

旨味   :★★

酸味 :★★★★

飲みやすさ:★★★

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