「お水取りが終われば春はやってくる」古くからそう言われていますが、お水取りの期間になってもまだまだ厳しい寒さが続いています。
果たして、今年もお水取りが終わると諺のように春はそろそろとやって来てくれるのでしょうか。
と、3月になり春に関連したイベントのアナウンスが続々と行われている中、奈良県内の4社寺での特別拝観の情報が公開されました。
今回は西国三十三所草創1300年事業の一環として行われるもので、奈良県内の他にも和歌山、大阪、滋賀の社寺でも行われます。
西国三十三所とは?
そもそも、今回のキャンペーンのきっかけである「西国三十三所」とはどのようなものなのでしょうか?
遡ること718年(養老2年)。観音菩薩が人々を救うために示したと伝わる観音霊場のルーツです。
その後、「観音菩薩は33の姿に身を変えて人々を救う」という教えのもと 「西国三十三所」と総称され、各寺院は「札所」となって順番に参拝する 巡礼文化を生みました。 その総距離は約1,000キロメートルに及び、和歌山県、大阪府、奈良県、 京都府、滋賀県、兵庫県、岐阜県の2府5県を包括するように伸びています。
その三分の一が中世日本の首都・京都に集中していることを背景に、 「西国三十三所」が生んだ観音信仰と巡礼文化は全国に広がりました。
現在、観音菩薩の美しさは海外の注目も集め、多くの外国人が訪れる 巡礼道になっています。今回、この「西国三十三所」は草創から1300年という節目を迎えることから、三十三所において特別拝観などのイベントが行われることとなりました。
西国三十三所とは、いわば古の人が行った聖地巡礼ともいえるものです。昔から今、聖地巡礼の意味や形、対象は変われど巡るという行為に特別な感情を持っていたのは変わらないのでしょう。
奈良県内の特別拝観は?
今回の西国三十三所草創1300年に伴う特別拝観。奈良県内の社寺で西国三十三所の寺院は
岡寺
長谷寺
興福寺 南円堂
壺阪寺
あとは番外として位置付けられている桜井市の法起院です。
今回、特別拝観が行われるのは岡寺、長谷寺、興福寺 南円堂、壺阪寺の4ヶ所。これらの寺院において、通常非公開の本尊や秘仏などを拝観することができるようになっています。
特別拝観の期間と内容について
今回の特別拝観の期間、並びに各社寺での内容については下記の通りとなります。
寺院名 | 期間 | 内容 |
岡寺 | 3月1日〜5月7日
※土・日・祝日のみ |
三重塔壁画・扉絵特別開帳 |
長谷寺 | 3月18日〜6月30日 | 春季 本尊大観音尊像特別拝観 |
興福寺 南円堂 | 3月15日〜6月18日 | 仮講堂特別拝観(阿修羅像他) |
壺阪寺 | 3月1日〜6月18日 | ・大雛曼荼羅公開 (〜3月31日)
・多宝塔開扉 秘仏大日如来像(平安時代)御開帳(4月1日〜) |
奈良県内での公開は上記の通りとなりますが、他にも重文級の文化財の公開などもあり、文化財ファンや仏像ファンには非常にお楽しみいただけること間違いなし。
古より信仰を集め、今もなお多くの人が巡礼を行う西国三十三所巡り。1300年を迎えるメモリアルな年に、一度巡ってみてはいかがでしょうか?
西国三十三所巡りの詳しい情報はこちら
http://www.saikoku33-1300years.jp/