監獄ホテル誕生?!奈良少年刑務所とは?生まれ変わる奈良の新ランドマークを紹介!

明治時代の5大監獄として知られた奈良少年刑務所。

ロマネスク調の建物が特徴の奈良のランドマークのひとつでしたが、耐震性や老朽化などの問題から昨年閉鎖されました。

ならまっぷでは、ホテルとして新たに生まれ変わる奈良少年刑務所を、歴史的な背景とともにご紹介をしたいと思います。

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奈良少年刑務所の歴史

奈良少年刑務所が建てられたのは明治41(1908)年。
東大寺から北へ1キロほど、奈良市般若寺町の周囲には住宅街などが広がる一角にその建物はあります。
当時は「監獄で国家の文化度がわかる」といわれた時代。そんな中にあって、列強らに追いつけ追い越せで列強諸国に伍する監獄建設を目指して建てられた、「五大監獄」のひとつです。
奈良のほかに千葉、金沢、長崎、鹿児島に建てられた明治時代の五大監獄。ほかの監獄が建て替えられたり、取り壊されたりするなか建物そのものが当時のまま、かつ刑務所としての機能を残す唯一の刑務所が奈良少年刑務所(かつての奈良監獄)でした。
昭和21(1946)年以降、少年刑務所と改良されて以降は犯罪傾向の進んでいない26歳未満の受刑者、そして少年囚を収容する施設として活用されてきました。

シンボリックなロマネスク様式

奈良少年刑務所の特徴といえば、シンボリックなロマネスク様式の建物。


重厚な赤煉瓦に、厳かな趣の門。

刑務所というセキュリティが求められる場所ということもあって非常に頑丈な造りとなっています。

この建物を建てたのは明治期の建築家・山下啓次郎。司法省(現在の法務省に相当)に勤め、奈良監獄のほか金沢監獄の設計にも携わった明治期の建築家です。

大阪・中之島の中央公会堂などの設計を手がけ、堅牢な建物造りに定評のあった辰野金吾の下に弟子入りした建築家ということもあって、どこか堅牢な辰野テイストを残している建物です。

一般的に刑務所というと設置そのものに反対をされたり、あまり良いイメージが浮かばない建物であるもの。

ところが、奈良少年刑務所に関してはこの文化財としての価値を残したい、そういった機運が地元の人たちを中心に巻き起こり保存運動が起こるという非常に珍しい流れが起こりました。

こういった運動が起こるあたり、身近に世界遺産や国宝級の建造物が数多くある奈良県ならではの機運なのかもしれませんね。

保存運動などを契機に、重要文化財に登録

先ほども述べたように老朽化等により廃止されることとなった奈良少年刑務所。

4〜5年ほど前から保存運動が起こり、建物の再活用に関するプロジェクトなどが立ち上がりました。

それとともに、奈良少年刑務所の歴史的・文化的価値の高さから文化遺産であるとし、重要文化財への指定に向けた要望書も保存を求める人たちから刑務所長に向けて提出されるなど、地元の人たちを中心に保存運動が活発に。

こうして、平成28(2016)年に国際標準化を目指して計画した監獄の希少な遺構として歴史的価値が高く、土地とあわせて保存が図られる文化財として重要文化財に指定されることとなりました。

建造物の保存、活用に向けてホテルとして再出発!

報道などでかつての刑務所であった建物をそのまま活かし「監獄ホテル」として生まれ変わることとなった奈良少年刑務所。

そこには重要文化財に指定され、保存が求められるとともに、奈良少年刑務所の有効活用が求められることとなったことが背景にあります。

今回、公営施設等運営権制度(コンセッション制度)を利用し、地域活性化のため国有財産である文化財建造物の有効活用を図りつつ、これらを適切に保存することとなりました。文化財建造物の耐震改修を施し、公開活用のための設備を平成31(2019)年10月の運営開始に向けて整備されることに。

文化財リノベーションホテル、新設ホテル、簡易宿泊型ドミトリー(MUJI HOSTEL)の3つのエリアで構成され、様々な宿泊ニーズに応じたホテル、資料館や温浴施設などが設置されるのだそう。

文化財リノベーションホテルでは 「生きた歴史」をコンセプトに未来へ繋ぐ体験型宿泊空間 旧監獄棟をリノベーション。

歴史的な重厚さ、監獄としての趣は守りつつ、 “ホテルとして快適である”空間を提供していきます。

新設ホテル では「歴史を見つめ、歴史を紡ぐ、新時代のステージ」をテーマに既存棟との関係性を重要視し、さまざまな方向から美しい煉瓦建築の建物を眺められるビューを確保すると共に、このホテル自体が施 設全体の景観を高められるデザイン性を持たせた施設に。

簡易宿泊型ドミトリー(MUJI HOSTEL)では、世界中の若者を刺激する文化と多様性の体験拠点 国内外で広く知られる「無印良品」ブランドのホステルを設置。キッチンなどを完備し、長期宿泊に対応すると共 に、文化的コミュニティーを育むカフェバーや、工房・アトリ エなども同時に整備することで、アート活動や伝統工芸体験を支援する施設として生まれ変わります。

このほか、地産地消にこだわったレストランやランニングステーション機能を備えた温浴施設なども設けられる予定。

ホテルとしてだけでなく、きたまちエリア、そして奈良の新たなランドマークとなりうる奈良少年刑務所。

これからの動きに目が離せません!

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